ラグビーの風景 忘れられぬ釜石V7戦士『洞口孝治』


 7月2日(土)いわぎんスタジアムで、トヨタ自動車ヴェルリッツ対釜石シーウェーブスRFCによる復興支援マッチが行われました。

 小雨ぱらつく曇り空の中、達増岩手県知事の仏様のハンドサイン…あイヤ、五郎丸ポーズからのキックオフで始まります。
 
f0327216_09292437.jpg


 試合はトヨタの2トライ2ゴール後、前半35分釜石ダラス・タタナ選手がラインアウトからのボールをキャッチしモールとなります。 
f0327216_09300044.jpg
f0327216_09301199.jpg

 モールの中には、神戸製綱7連覇に貢献し阪神淡路大震災を経験、今は釜石のロック背番号4番の伊藤剛臣選手の姿も見えます。

f0327216_09302062.jpg
 
 モールをそのまま押し込み、フッカー中村彰選手のトライとなりました。
f0327216_09315888.jpg
 観客席からも、拍手が沸き起こります。
f0327216_09321462.jpg
 
 コールキックは、FB村井佑太朗選手です。
f0327216_09322728.jpg


 梅雨空のゴールポストめがけて飛んでゆくボールを見ていて、釜石V7時代の名キッカー金野選手が、そして当時日本不動のタイトプロップで、どんな場面でもフワッとした笑みを浮かべているように見えた洞口選手の紅いジャージ姿が浮かんできます。
 
 スポーツライター大友信彦氏は、洞口選手を「岩のように強く、真綿のように優しかった」と言っています。

f0327216_09333297.jpg
 
 洞口選手は、釜石工業高校時入学時ラグビー部に誘われ加入するも、サボリがちだったそうです。
 
 この頃(昭和46年正月)、釜石製鉄所のラグビーチームが全国社会人大会決勝でリコーと引き分け両社優勝となり、抽選の結果釜石が日本選手権へ出場することになります。
 日本選手権の対戦相手は早稲田大学でした。結果は16対30で早稲田大学の勝ちでしたが、この試合を見ていた洞口選手は、普段見ている製鉄所の中に凄い人達がいるものだと、一気にラグビーへの興味が高まったそうです。
 
 そして高校卒業時、憧れの釜石製鉄所から声がかかりラグビー部に入部することになりますが、練習は高校時代とは比べ物にならぬほどきつく、冬は松尾雄治氏が当時「骨をそぎ落とすような寒さ」という中で、仕事が終った17時から練習が始まります。

 あまりに練習がきつくて、ラグビー部をいつ辞めようかと同期の瀬川選手と練習をさぼったようです。先輩が探し友人宅を訪ねると「いないよ」と声が返ってくるが、デカイ靴があるのですぐわかったそうです。

 そんな洞口選手厳しい練習を熟し4年目にはレギュラーとなり、V7釜石の大黒柱となります。
 その当時を振り返る洞口選手は、「練習の後の仲間との酒が楽しかった」と言っています。
 
 V5のときの同志社戦で決めた松尾雄治氏の見事なスラロームトライを、『蝶のように舞い、蜂のように刺す』と評した新聞を見て、『俺だって、蝶のように舞い、ブタのように転がる』と言ったそうです。
 一緒に戦った名CTBで第七代監督の森重隆氏によれば、無口な男たちのイヤ味のない素朴さ・ユーモア・謙虚さが、温かさとして伝わり釜石の全国的人気は衰えなかったと言います。
 日本ラグビー史上最強最高のSOそして第八代監督の松尾雄治氏は、本物の強さから生まれる、気休めではない優しさ明るさとも表現しています。 
f0327216_09340649.jpg

 V7伝説の13人つなぎトライで、倒れながら坂下選手にパスした洞口選手、その場面を思い起こし『蝶のように舞い、ブタのように転がる』と言ったセリフを思い浮かべている間にゴールも決まりました。

f0327216_09343073.jpg
 この時点で7対14となり、再び拍手が沸き起こり前半戦が終了しました。
 後半戦では7トライ5ゴールを奪われ、7対59でトヨタ自動車の勝利となりました。

f0327216_21175633.jpg
 ノーサイドの後、かつて国立競技場を埋め尽くした釜石の大漁旗の前に、トヨタ自動車の選手も挨拶に行きました。
f0327216_21181054.jpg
 釜石シーウェーブスの選手も、ファンへの挨拶をしています。
 
 釜石シーウェーブスRFCは、2019年ワールドカップ開催までに、トップリーグ入りを目指して頑張っています。
 ガンバレ釜石!!

 
 翌日には、釜石でトヨタ自動車ヴェルリッツ・釜石シーウェーブスRFCの選手によるラグビー教室が行われ、ブドウ園の草刈りボランティアも行われたとのことです。

 
 洞口孝治氏はその後日本IBM監督となり、1999年監督在任中45歳で急逝しました。
 あの表情を思い起こすと、今でもフッとグランドに現れるような、柔らかさを感じてなりません。
 そして気は早いのですが、2019年のワールドカップが楽しみになります。
 釜石鵜住居のグランドで大漁旗の下で行われるジャパンの試合を見て、北の鉄人洞口選手は「ふっふっふっ」と笑っているかもしれないですね。
 
にほんブログ村 写真ブログ 季節・四季写真へ

[PR]
名前
URL
画像認証
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。

by bbex162546 | 2016-07-10 21:41 | スポーツ | Comments(0)

岩手の祭りや四季折々の風景、風物などを掲載してます。


by 三友写真部
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30