奥州市の風景 黒石寺蘇民祭「蘇民袋」の行方

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 蘇民祭で奪い合う「蘇民袋」は麻糸で織られており、幅一尺二寸(36センチ)・長さ六尺(82センチ)ぐらいで五升ぐらいの容積だそうです。
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 かつて袋織をする門前の女性(八人)たちは、三日前から精進をし当日朝湯を立て、波の花で身を清めてから始め、もみ、つむぎ、よる、へる、たてる、織るまでの工程を一日で仕上げていたそうです。
 
 五穀豊穣を願う蘇民祭の準備一つから見ても、寒冷の飢饉が多い地では命がけの切なるものだったことを感じます。
 
 その切なる願いが、蘇民袋争奪戦に現われています。
 一週間の精進して参加する者達もまた、取り主が決定しても尚蘇民袋を奪い取ろうと飛び掛かって行くのは、この生い立ちの歴史によるものだと思います。
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 神聖な思いのこめられた蘇民袋は、取り主が決定すると即座に親方衆が持ち帰ります。
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 そして裁断され、取り主、別当、世話人、青年部など蘇民祭協力者へ配られます。
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 境内の露天商にも、貴重な一部が手渡されます。
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 この蘇民袋、麻の栽培規制や織る方々の高齢化にともない伝承が難しくなり、2004年に黒石寺藤波洋香住職は、大槌町の染織作家「小川久美子」さんに依頼されたそうです。
 一週間前から肉や魚を断ち「精進」をして織ってきた「小川久美子」さん、2011年3月11日の震災で、ご主人の陶芸家「小川延海」さんと大槌町の自宅ギャラリーで行方不明となってしまいました。 
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 この年から、現在は「しずくいし麻の会」に依頼されるようになりました。
 
 五穀豊穣を願い原石のままに引き継がれてきた行事、関わる多くの人たちの想いをのせて、さらに1000年先につながり続けることを願います。


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by bbex162546 | 2017-02-23 17:14 | 祭り | Comments(0)

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